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自宅を本店にして東京で会社設立する|住所の公開と、非表示にする方法

会社設立 東京 バーチャルオフィス 本店所在地 編集:合同会社commit / 合同会社FIELD 共同編集部
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この記事は、自宅を本店にしようとしている方に向けたものです

自宅を本店にして会社設立をするのは、いちばん費用のかからない方法です。ただし、住所が登記事項として公開されます。登記事項証明書は誰でも取れるので、会社の住所を調べれば自宅が分かることになります。

この記事は、東京都内で自宅を本店にして会社設立をしようとしている方に向けて書いています。住所の公開をどう考えるか、代表取締役の住所を表示しない措置をどう使うか、そして賃貸物件での注意点を整理します。

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自宅を本店にすることはできます

自宅を本店にすることを示すイラスト

自宅の住所を会社の本店として登記することはできます。会社法に「本店は事業専用の場所でなければならない」という定めはありません。

いちばんの利点は費用です。事務所を借りればその賃料がかかりますし、バーチャルオフィスでも月額の費用が発生します。自宅ならこれがゼロです。

会社設立の直後は売上が読みにくい時期なので、固定費を増やさない選択には意味があります。東京は家賃が高いぶん、この差は大きくなります

郵便物の受け取りも確実です。登記関係の書類や役所からの通知が自宅に届くので、転送を待つ必要がありません。

会社設立の代行に頼む場合も、自宅を本店にすること自体は何の問題もありません。書類の作り方も手続きも、他の場合と変わりません。

東京で会社設立をする方のなかには、まず自宅で始めて、事業が育ってから事務所を借りるという流れをとる方が多くいます。帝国データバンクの調査でも、2025年に東京都で設立された法人は4万9,274社で、そのうち23区が4万4,975社を占めました。この数のなかには、自宅を本店にした小さな会社が相当数含まれているはずです。

ただし、住所が公開されることと、賃貸物件の場合は契約上の制約があることの2点は会社設立の前に確かめておく必要があります。

本店の選択肢を比べた図解
費用を優先するなら、いちばん左です。

出典:法務局「商業・法人登記の申請書様式(株式会社設立登記)」(2026年9月時点)

会社の住所は登記事項として公開されます

住所が公開されることを示すイラスト

会社の本店所在地は登記事項です。登記事項証明書には番地まで記載されます。

そして、登記事項証明書は誰でも取れます。手数料を払えば、会社の関係者でなくても取得できます。オンラインで請求することもできます。

つまり、自宅を本店にすると会社名を知っている人は自宅の住所を調べられることになります。取引先や金融機関はもちろん、それ以外の人でも同じです。

さらに、株式会社の場合は代表取締役の住所も登記事項です。本店が自宅でなくても、代表取締役として自分の住所が登記されます。

合同会社の場合、代表社員が法人でなければその氏名と住所が登記されます。こちらも同じように公開されます。

会社設立の代行に相談するときも、住所の公開が気になることを伝えてください。東京の司法書士事務所には非表示の措置に対応しているところがあるので、そういう事務所を選ぶという判断もできます。

この点は、会社設立をする前に知っておいてください。「本店をバーチャルオフィスにすれば自宅は分からない」と思っていても、代表者の住所として登記されることがあります。

登記されて公開されるものをまとめた図解
2つ目と3つ目を知らない方が多くいます。

出典:東京法務局「不動産登記/商業・法人登記の管轄区域一覧」(2026年9月時点)

代表取締役の住所を表示しない措置

住所非表示措置を示すイラスト

代表取締役等の住所を登記事項証明書に表示しない措置を申し出る制度があります。自宅を本店にする方や、自宅の住所を知られたくない方に関わる制度です。

東京の司法書士事務所の公式サイトにも、この申出に対応していることと追加報酬の額を明示しているところがあります。「住所を非表示にする代表取締役が複数いる場合は、2人目以降9,000円/人」といった料金の出し方をしている事務所もあります。

ただし条件があります。ある事務所の説明では、「本制度を利用できるのは、①本店所在地に司法書士が訪問可、もしくは②本店所在地にて会社名宛で配達証明付きの書留を受領できる設立予定法人に限る」とされています。

つまり、本店で会社宛の郵便を確実に受け取れることが前提です。自宅を本店にする場合はこの条件を満たしやすくなりますが、バーチャルオフィスの場合は転送のサービスの内容によります。

この措置は、住所そのものを登記しないという意味ではありません。登記所には住所の情報が残り、登記事項証明書に表示されなくなるという仕組みです。そのため、必要な場面では確認できるようになっています。

この申出は、会社設立の登記と同時にするのが手数が少なくて済みます。後からでも申し出はできますが、そのぶん手続きが増えます。気になる方は、会社設立の相談のときに伝えてください。

会社設立の代行に頼む場合、この制度に対応しているかどうかは事務所によります。料金表に項目として載せている事務所は、対応しているということです。

住所非表示の申出の確認項目のチェックリスト
3つ目が、バーチャルオフィスでは効いてきます。

出典:法務省「商業・法人登記のオンライン申請について」(2026年9月時点)

賃貸物件の場合は契約を確かめてください

賃貸契約を確かめるイラスト

賃貸物件に住んでいる場合、その住所を会社の本店にできるかを契約で確かめてください。

居住用の賃貸借契約では、事務所としての利用を禁じていることがあります。「住居以外の用途に使用してはならない」といった条項です。

登記そのものは物理的にできてしまうので、契約違反に気づかないまま会社設立を進めてしまうことがあります。後から問題になると、本店の移転登記が必要になります

実務上は、来客がなく騒音も出ない業種であれば大家さんの了解が得られることもあります。会社設立の前に、管理会社か大家さんに相談してみてください。

分譲マンションの場合は、管理規約を確かめてください。住居専用と定められていることがあります。

東京は賃貸に住んでいる方の割合が高い土地です。とくに23区では、会社設立をする方の多くが賃貸物件に住んでいます。そのぶん、この確認が必要になる場面も多くなります。

この確認は会社設立の代行では代わりにできません。自分で契約書を読み、必要なら管理会社に問い合わせてください。本店の住所が決まらないと、管轄の登記所も届出先も創業支援を受ける区も決まりません。

自宅を本店にする前の確認項目のチェックリスト
1つ目と2つ目は、契約書を読めば分かります。

出典:法務局「商業・法人登記の申請書様式(株式会社設立登記)」(2026年9月時点)

自宅の区で創業支援を受けることになります

自宅の区で受講することを示すイラスト

自宅を本店にする場合、特定創業支援等事業の証明書は自宅のある区市町村で取ります。

この証明書があると、会社設立の登録免許税が半額になります。株式会社なら15万円が7万5,000円に、合同会社なら6万円が3万円になります。

自宅を本店にする方にとっては、この点はむしろ有利に働きます。住んでいる区で受講すればよいので、バーチャルオフィスを使う場合のような区のずれが起きません。

東京は23区と26市すべてがこの制度の認定を受けています。自宅がどこにあっても、手が届く可能性があります。町村の場合は、日の出町・瑞穂町・大島町・新島村が認定を受けています。

受講の形も証明書の出方も区市によって違います。港区は窓口で即日発行、渋谷区はオンライン申請のみで交付まで1週間ほど、新宿区は動画セミナーを随時受け付けています。

自宅を本店にする場合、住んでいる区の窓口に行くことになるので距離の負担も小さくなります。区役所の窓口で相談する形の区なら、生活圏のなかで完結するので通いやすいはずです。

受講に1か月以上かかる区が多いので、会社設立の1か月半から2か月前には自宅のある区の窓口に問い合わせてください。

自宅を本店にする場合の順番を示した流れ図
1つ目を先に確かめてください。

出典:中小企業庁「会社設立時の登録免許税の軽減について」(2026年9月時点)

本店の区で、届出先が決まります

届出先が区で決まることを示すイラスト

自宅を本店にすると、自宅のある区が会社の所在地になります。その区を基準に、会社設立の後の手続きの相手が決まります。

設立登記の申請先は、本店の区市を管轄する登記所です。東京では23の登記所が商業・法人登記を扱っていて、庁の名前と管轄の区が一致しない庁があります。城南出張所は大田区、城北出張所は足立区と葛飾区です。

23区の法人事業税・法人都民税の課税事務は9つの都税事務所が分担しています。本店の区にある都税事務所が所管とは限りません。大田区なら品川都税事務所、江東区なら中央都税事務所です。

社会保険の届出先である年金事務所も本店の区で決まります。台東区は上野年金事務所、豊島区は池袋年金事務所という名前です。杉並区・中野区に本店を置く会社の健康保険・厚生年金保険の届出先は新宿年金事務所です。

人を雇う場合は労働基準監督署とハローワークも関わります。この4つは、それぞれ区の分け方が違います。本店を決めた時点で書き出しておくと後で慌てません。

会社設立の代行に頼めば、管轄の登記所は調べてもらえます。ただし設立後の届出先までは、代行の範囲に入らないことがあります。税務顧問契約まで結べば税務署と都税事務所への届出は任せられますが、年金事務所や労働基準監督署は別の資格の領分です。

多摩地域に自宅がある場合は、法人住民税を都税事務所と市役所の両方に納めることになります。23区なら都税事務所だけで足ります。

自宅の区で決まるものを示した比較図
3つの列が、それぞれ違う分け方をしています。

出典:東京都主税局「23区内の法人事業税・法人都民税等にかかる所管区域について」(2026年9月時点)

許認可がある事業では確認が必要です

許認可の確認を示すイラスト

自宅を本店にする場合も、許認可がある事業では要件を確かめる必要があります。

宅地建物取引業では、独立した事務所の形が求められます。居住スペースと明確に区分されていることが必要とされるので、自宅の一室を使う場合は要件を満たせるかを確かめてください。

建設業の許可でも営業所の実態が確かめられます。人材派遣業や有料職業紹介事業では、事務所の面積や設備の要件があります。

飲食業や食品製造業では、施設の基準があります。自宅のキッチンをそのまま使うことはできません。

古物商の許可でも営業所の要件があります。インターネットで中古品を売る事業でも許可が必要になることがあるので、自宅を営業所として届け出られるかを警察署に確かめてください。

こうした業種では、会社設立の前に所管の行政庁か行政書士に確かめてください。会社を作ってから許可が下りないと分かると、本店の移転登記からやり直すことになります。

許認可を扱うのは行政書士です。会社設立の相談を行政書士事務所にすると、許認可の要件を踏まえた定款と本店の設計をしてもらえます。東京には23区にも多摩地域にも、許認可を扱う事務所があります。

自宅で要件を満たしにくい業種をまとめた図解
当てはまるなら、住所の選び方から変わります。

出典:日本公証人連合会「9-4 定款認証」(2026年9月時点)

法人口座の開設は問題になりにくい

法人口座の開設を示すイラスト

自宅を本店にする場合、法人口座の開設で問題になることは比較的少なくなります。実際にそこに人が住んでいて、事業をしていることがはっきりしているからです。

東京の税理士法人の公式サイトには、金融機関が事業目的や資本金、本店所在地を重視しているという指摘があります。バーチャルオフィスの場合は説明を求められることがありますが、自宅ならその点の心配は少なくなります。

とはいえ、事業の実態を示す資料は用意しておいてください。取引先との契約書、請求書、ウェブサイトなどです。会社設立の直後は実績がないので、これから何をするのかを説明できる状態にしておくと安心です。

定款の事業目的も見られます。関係のない事業がたくさん並んでいると「何をする会社か分からない」と見られることがあります。

資本金の額も見られます。会社設立の費用を下げるために資本金を小さくした場合、他の資料で事業の実態を示す必要が出てきます。

自宅の近くの金融機関を使うという選び方もあります。会社設立の後は入出金や融資の相談で何度か足を運ぶことになるので、近さは意外と効いてきます。東京は信用金庫や信用組合の支店も多いので、選択肢は豊富です。

口座を開きたい金融機関に、会社設立の前に必要書類を聞いておくと二度手間が減ります。東京は金融機関の選択肢が多いので、自宅の近くの信用金庫なども候補になります。

法人口座で見られることをまとめた図解
自宅は、1つ目で有利になります。

出典:帝国データバンク「2025年「新設法人」動向調査」(2026年9月時点)

まとめ

記事のまとめを示すイラスト

自宅を本店にして会社設立をすることはできます。費用がかからず、郵便物も確実に届き、法人口座の開設でも実態がはっきりしているぶん有利です。

一方で、住所が登記事項として公開されます。登記事項証明書は誰でも取れるので、会社名から自宅の住所を調べられることになります。代表取締役の住所を登記事項証明書に表示しない措置を申し出る制度があるので、気になる方は会社設立の相談のときに伝えてください。

賃貸物件の場合は、契約で事務所利用が認められているかを確かめてください。許認可がある事業では、自宅では要件を満たせないことがあります。そして、特定創業支援等事業の証明書は自宅のある区市町村で取ることになります。

記事の要点を3つにまとめた図解
3つ目を飛ばすと、後で移転することになります。

出典:法務省「商業・法人登記のオンライン申請について」(2026年9月時点)

住所は後から変えられますが、費用がかかります

本店の住所は後から変えられます。ただし変更登記が必要で、登録免許税がかかります。東京は区をまたぐと管轄の登記所も変わることが多いので、手続きが重くなります

自宅で始めて、事業が育ったら事務所を借りる。この流れ自体は自然ですが、そのときの手間と費用は見込んでおいてください。

そして、本店を置く区市町村の特定創業支援等事業の証明書はその区で取る必要があります。自宅を本店にするなら、自宅のある区で受講することになります。会社設立の1か月半前から動き始めてください。

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